研究内容
研究テーマ: 「低次元強相関系とトポロジカル物質に関する理論研究」1980年頃から物性物理学の分野において、 低次元の物質のみに現れる特異な量子力学的現象や、 トポロジーの概念を導入することによって理解される現象が 存在することが明らかになってきました。 具体的には、 コスタリッツ・サウレス転移、 量子スピン系のハルデンギャップ、 量子ホール効果、 朝永・ラッティンジャー液体、高温超伝導、 スピン液体などの話題があります。 また、21世紀に入り、グラフェンやトポロジカル絶縁体などの 新しい物質・現象が見つかり、 さらに量子コンピューターや、 エンタングルメントなどの量子情報理論の流れも加わり、 この分野はさらなる拡大を続けています。 2016年にサウレス、ハルデン、 コスタリッツの3人がノーベル物理学賞を受賞しましたが、 これはまさに彼らのこの分野での先駆的な研究が評価されたものでした。 当研究室もまさにこの分野を研究しています。 この分野は実験と理論が互いに影響を与えながら発展する、 物理の本来あるべき姿を保っており、 さらに理論としては数学的な深さと美しさを追求できる、 大変魅力的な研究領域となっています。
現在、具体的には以下のような話題について取り組んでいます。
- グラフェンとトポロジカル絶縁体
- 分数量子ホール効果
- 低次元強相関系
- フラストレートした磁性体